2017年5月8日月曜日

番外編 玉山登山について

台湾最高峰の玉山(3952m)に登ってきた。
登山準備のため、色々調べたが、現地に行くまで分からなかった情報、web上には間違った情報などがいくつか見られた。誰かの役に立つかもしれないので、諸々書いてみます。

①玉山登山に必要な公的手続き
  1. 玉山主峰近くにある山小屋、排雲山荘の寝床確保(管轄は玉山國家公園管理處)
  2. 入園許可書の取得(管轄は玉山國家公園管理處)
  3. 入山許可書の取得(管轄は警察)
 
山小屋の寝床数に上限があるため、まずこの確保が必要。申請したのちの抽選によって一時確保となる。ただし、外国人枠がいくらかあり、これは申請終了順にて一時確保となる(ただし、曜日限定あり)ので、こちらを利用した方が良い。
申請はここより行う。
外国人であることの証明にパスポートの写しのアップロードが必要。忘れないこと。
申請は中国語、英語、日本語で可能だが、申請説明についての情報量が日本語版は少ない。必ず他の言語も目を通すこと。排雲山荘の宿泊日の1ヶ月前に、ベッド一時確保の最終連絡がメールで届く。メールで指定される口座に、山荘宿泊費用を期日までに振り込むことで寝床確保完了となる。外国人には特例があり、入山時に排雲登山服務中心での宿泊費支払いも受け付けてくれる。先の連絡メールにその記載があるので、こちらを選ぶ場合は必ずその旨の返信をすること。でないと、期日までの振り込みなしとみなされて、キャンセルされる可能性がある。


入園許可書は、宿泊料金支払い後に発行される。よって、排雲登山服務中心での支払い希望とした場合は現地受け取りとなる。このとき、パスポートの提示が必要。


入山許可書は、排雲登山服務中心のとなりの國家公園玉山警察隊塔塔加小隊にて発行してもらう。このとき入園許可書が必要となるので、順番を間違えないこと。パスポートの提示も。その他、準備物はなし。


入園許可書、入山許可書の現地発行には、トータルで30分程度かかった。入山日でも、前日でも、発行は受け付けてもらえる。
(排雲山荘のベッドが確保できないならば、日帰りすれば良いのでは?と思うかもしれない。が、玉山日帰り登山については、過去に台湾の3000m峰に登山経験が有るものにしか間口は開かれていない。)



②登山口までの足について
公共交通機関を使ってたどり着ける。ただし便数が少なく、かつ予約した方が良さそう。


員林客運 6739
日月潭→阿里山
阿里山→日月潭

降りるバス停は登山口最寄りの上東埔それぞれ2便しかなく、かつバスは小型。バス会社のHPより時刻表と予約手順が確認できる。予約済でも、当日の所定の時間、場所にてキップの引き換えができなければ、予約失効となる様なので注意が必要。私は行きの阿里山→上東埔は予約していたが、帰りの上東埔→阿里山は予約していなかった。帰りもなんとか乗れたものの、空席はわずかにひとつだけ。もしこれが埋まっていたら、予定が大きく狂っていただろう。
平日の上東埔(午前中)は、車通りが非常に少なかった。ヒッチハイクは辛いものになると思われる。



③入山前の宿について
上東埔すぐ近くに、台湾大学の実験林を管理している東埔山荘がある。ここに宿泊できる。登山客がよく利用している模様。朝一番の入山を考えているなら、ここがベストチョイスだろう。
HPによると、予約は電話受付のみ。中国語が話せない私は、台湾の旅行代理店を通じて予約した。布団あり。食事はあらかじめ予約した場合は提供してもらえる模様。飲用可の湯が手に入るが、早朝は沸いていない可能性あり。東埔山荘までの送り迎えもしてもらえるようだが、安くない。



④排雲山荘について
近年、改装されたため、設備はきれい。食事の提供、寝袋の貸し出しサービスがある。これらは予約が必要で、小屋を管理している雲豹休閒有限公司このHPより予約フォームをダウンロードし記載の上、メールで連絡する。お金は当日、山小屋で支払い可能。つり銭がでないように。飲用可の湯が手に入るが、入手できる時間に限りがある。



⑤その他
・排雲登山服務中心から塔塔加鞍部(玉山登山口)までは登山客向けバスが走っている。始発は06:30で費用は100元。車道歩きから逃れられる。登山客が途切れない間は、ピストン輸送を繰り返しているので、タイミングが合えば下山時にも利用できる。

・登山道はかなり整備されている。要所の道標のみならず、自然の見所を説明する案内板まで設置されている。ガレ場などには、鎖が打たれており、危険を感じるところは少なかった。
数ヶ所ではあるが、携帯電話が通じるところさえある(ただし、本来は使えるはずの排雲山荘と山頂で、現地の中華電信の3Gsimを入れていた私の携帯電話は電波をつかめなかった。排雲山荘にて、他の人がlineを使っているのは見ている。道中では、普通に使えたので、余計に謎が深まるばかり。)。


・日本の「山と高原地図」に近いものが台湾でも売られている。
登山用品店に今まで数回訪ねているが、玉山は在庫切ればかり。書店でも見たことがない。通販で買うか、直接出版社を訪れるのが手っ取り早い様に思う。出版社はマンション一階の一室にある。


・外国人の玉山登山には、ガイドの同行が必要、と書かれたHPもあるが、これは間違い(少なくとも今は)。

・単独行も可能。